京都の商家で産声をあげた私は、伝統ある町 古風豊かな人々に育まれた。 そのことが、必然のように美への憧憬へと導かれていったような気がする。
サンドブラスト美術工芸のガラスと出会い、スケッチや自然を観察するようになり、 華やかな花のみならず、人知れず路地に咲く花 短命を謳歌して鳴く虫たちにも 心ひかれるようになった。
サンドブラストガラス工芸は、ガラスと言う被写体にマスキングテープを貼り付ける。
そこにスケッチを施し、文様にしたがいカッターナイフでマスキングを切り取ると ガラス面が見える。 そのガラス面に、勢いよく砂を当てて彫刻するという単純な技法である。
単純であればあるほど、スケッチでの洞察力と精緻な彫刻技術が作品の良否を分ける。
作品を販売することも必要であるが、今後 独自の感性を生かしたオリジナルな素材製作と 芸術性の高い作品作りに邁進していくことを目標にしたいと思っている。